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海自護衛艦の「さざなみ」=シンガポール、守真弓撮影

 海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」が25日、中国と台湾の間の台湾海峡を初めて通過したことがわかった。中国が日本周辺での軍事活動を活発化させるなか、海自護衛艦に台湾海峡を通過させた日本政府の狙いは何か。明海大の小谷哲男教授(安全保障)に聞いた。

これまで慎重だった「政治案件」

 ――海自護衛艦の台湾海峡通過をどう見るか。

 防衛省・自衛隊の中で護衛艦に台湾海峡を通過させる案は、以前からあったと思う。しかし、それをいつやるかは政治案件だ。

 なぜこのタイミングなのか。ひとつは豪州とニュージーランドとの共同訓練が南シナ海で予定されていたことだ。台湾海峡を通るのか、それとも台湾の東側を通るのかを迫られる。今回の判断はおそらく直前に決めたのではないか。この1カ月ほど、日本周辺での中国軍の動きが活発化したことが、政治判断に影響を与えたと考えている。

 ――日本側の狙いは。

 台湾海峡は「国際海峡」なの…

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